もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
それを制し、雨宮麻衣がオレの腕をつかむ。



「おうちの人・・・。
びっくりしないかな?
こんな夜遅く。
こんな格好で・・」



「おまえ、そんな冷たい手で、何言ってるんだよ。
そんなこと気にしなくていいから、早く来い!」



オレは雨宮麻衣の手を強く握り、そして引っ張った。



「早く来い。
おまえが心配することは、何もない」



そう、何も心配することはない。


だって――…

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