もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
それなのに、光は――…


「親の分まで、オレが愛してやるよ」


こんなにも優しくしてくれるんだね。



「オレが、そんな過去、忘れさせてやるよ」


あたしの心の傷を埋めようとしてくれるんだね。



こんなにもずるいあたしなのに。


それでも――…



あたしの肩を抱き寄せる腕で


重ねられた温かい唇で


そして、


藤澤光の体の重みで。


あたしを優しく優しく包んでくれる。




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