もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】



なんとも言えない幸福感の中――…


藤澤光は、片腕にあたしの頭を乗せながら、



「おまえさ。
オレを裏切らないって、約束できる?」



唐突に。
天井を見つめたまま、あたしに聞いた。



「え?」



幸福感に包まれていたあたしには、藤澤光の言葉がすぐには理解できなかった。



だから――…



「え?」



あたしは顔を藤澤光の方に少しだけ向けながら、もう一度聞きなおした。
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