もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
すると藤澤光は、あたしの首元から腕をはずし、横向きになった。



「小さい男だって、言われるかもしれない」



暗がりの中でも、こわばった表情が読み取れる。



「でも、オレは・・・」



一瞬の緊張の後、藤澤光はさらにあたしに顔を近づけた。



そして、こう呟いた。



「そういう女は、許せない」



キラリと。
冷たく光る瞳を怖いと思うほど。



そして、抑揚のない声色に震えるほど。


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