もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「・・・オレだけ、奇跡的に助かった」



藤澤光の声が震え、写真を持つ手も震える。




「同じ顔してるのに・・・。
双子の兄は、死んだんだ」



あまりのことに、声も出せない。






「おまえはさ。
ずっと、オレのそばに、いてくれるよな?」



藤澤光の。
あたしの瞳を覗き込む瞳が、おどおどして――…





「さっき。
オレを裏切らないって、約束してくれたもんな」



張り裂けそうな悲しみを纏う言葉で、そう懇願する。

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