もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
過去 -光ー
朝。
隣で寝ている雨宮麻衣を起こさないように、ベットを抜け出し。
シャワーを浴び。
歯を磨いて。
新聞を取りに、外に出た。
昨日の雨は止み、すっきりとした朝の空気を吸い込んだ時――…
「藤澤光って、おまえか?」
門の外の見知らぬ男に、声をかけられた。
誰だ?
記者か?
それとも。
義父のまわりに群がる奴か?
いずれにしても、毎度、毎度、かなり鬱陶しい。
オレはいつも通り無視を決めた。
でも――…