もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「別に。
昨日言ってた・・・親代わりみたいな人って、誰?
親父さんと住んでるんじゃないの?」


「え?
違うよ。
だって、父親は・・・・」



そこまで言って、雨宮麻衣はハッと手を口にあて、ギュッと目を瞑った。



「えっと・・・。
親戚の家に住んでるんだ。
父親の暴力がひどいから、引き取ってくれて」




蚊の泣くような、細く小さい声が空気を震わす。

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