もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「おまえ……。
そのリストバンド。
部活以外でも、手離さないのな。
バスケ好きにも、ほどがあるだろ」


くすくすっと笑いながら……。


そのクセ、ネクタイだけない制服姿に、オレは自分のネクタイを差し出した。


「これ、使えよ」


「え?
光は?」


「ああ・・。
これ、予備の新品だから、気にしなくてもいいって」


続いて身支度を整えるオレに。


「こっちの方がいいな」


雨宮麻衣が、オレのネクタイを引っ張った。

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