もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「ずっと一人で暮らしてきたの?
小さい時から。
どうやって?」



雨宮麻衣の声に次第にこもる熱を、おかしく思いながらも、答える。



「オレを引き取ってくれる、物好きな金持ちがいてさ」



「え?」



「でも、今は、一人暮らし。
この家も一人で使わせてもらってる」



パンを牛乳で流し込みながら、席を立つ。



「ごちそうさま。
ほら、急げ。
遅刻するぜ?」
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