もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
ジュッ……と、不気味な音と共に押し付けられる、タバコの火。


皮膚をなぞる、ナイフの刃先。


顔にかかる、酒臭い息。


のしかかる、汚い体。


「ごめんなさい。
ごめんなさい!!」


何が悪いのか、全くわからなかったけど、謝った。


でも、許してもらえることなどなく。


あたしは、ただ嵐が通り過ぎるのを待った。

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