もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「麻衣!
おまえ、何日、飯食ってないんだよ。
頼むから、食ってくれ」


懇願するような哲也の声も、ふわりと、あたしを通り抜ける。


近いようで、遠くに聞こえる声は、もう……現実味が感じられない。


ただ、ふわふわと漂う感覚。


なにも考えられない。


なにも感じない。


……はずなのに。

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