もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
だったら、こんなあたしに……。


生きている価値なんて、あるのだろうか?


誰からも許されないあたしに、居場所なんて、あるのだろうか?


たとえ居場所があったとしても、それがあたしにとっての地獄なら……。


本物の地獄に落ちるのも、また一興だ。


横になっていた布団から起き上がり、周りを見渡し、哲也がいないことを確認する。


それからあたしは、引き出しの中から、哲也のナイフを取り出した。

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