もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
もちろん、自分の存在意義さえわかっていない。


でも、もう、そんなこと、どうでもいい。


全てを終わりにしてしまうんだ。


そう考えて……。


あたしは、本気でナイフを引いた。


これが最後だと思ったから。


ためらいを感じるほどの心の余裕さえ、そのときのあたしには全くなかった。


ただ、それが、自分を救う唯一の手段のような気がして。


それ以外、なにも考えられなかった。
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