もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
でも、あのとき……。


偶然……龍が通りかかって、助けてくれたんだよね。


普通は自宅のお風呂場とか、テレビで見た知識で思ってたけど、あんな義父のいる家で、最後を迎えるなんて、バカバカしい。


最後まで、あんなヤツと一緒なんて、考えられない。


そう思って……。


人様の迷惑になることも顧みず、あたしはその場所に公園を選んだ。


家にあった有り金を掴んで、それを入れた封筒を傍らに置いた。


それは、せめてもの始末代。
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