もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
追憶 -麻衣-
あの日……。
龍は、あたしをバイクの後ろに乗せて、神社にお守りを買いに行ってくれた。
病院を後にしたその足で。
もちろん……。
生まれてくる赤ちゃんのための、ふたりの赤ちゃんのための、お守りを買いに。
そんなの、まだまだ先のことだよって。
全然先のことなのに、おかしいよって。
そう言ったのに。