もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
藤澤光は、額に手をあて、目を覆い。


軽く息を吐き出して、手を下ろした。


そして。


背中の痛みでしゃがんだあたしに合わせて屈み。


壁に左肘をついて、右手であたしの顎を持ち上げる。





痛々しさの消えた、真っすぐなのに、冷たい目と。


体を取り巻く冷たい空気。



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