もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「雨宮・・・麻衣。
あんたと同じバスケ部よっ!!」




「あまみや・・・まい・・」



藤澤光の繰り返す声が聞こえた。




チラッと横目で見た藤澤光は、ただ一点を見つめて、あたしの名前を繰り返した。




「・・・・まい・・・・・」




今にも泣きだしそうな。



雨の日捨てられた子犬のような瞳が忘れられず、あたしは、ただその場に、立ち尽くした。
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