もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
むしろ、心の中に浮かんでくるのは……。


“ありえない。
オレって、こんな女が好きだったのか”


自分自身への嘲笑のみ。


それなのに……。


「だから、お願い。
ねぇ?
光・・・」


こんなときだけオレにすがる、舞の手を振りほどけない。


それどころか……。


「わかった」


小さなため息をつき、オレは舞の手を握り締めた。

< 340 / 708 >

この作品をシェア

pagetop