もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「オレさ。
あの時、ホント、ごめん。
おまえを守ってやれなくて、ホント、ごめん」



「え?」



ハンカチを持った手をだらん・・・と下に下げ、ポカンとオレを見上げる雨宮麻衣を、力いっぱい抱きしめる。



「オレのこと、嫌いになったから、いなくなったのか・・?
好きな女一人守れないような男、おまえのそばにいる資格はないのか?」


「…………」



無言の雨宮麻衣を抱きしめたまま、オレの声だけが切なく響く。

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