もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「ごめん。
人違いだった。
オレは、君を知らないし。
もちろん、そのネクタイのことも、知らない」
オレは、フッと横を向いた。
食い込む指と、痛む心に耐えながら。
本当は……。
抱きしめて、許しを請いたかった。
そのネクタイは、オレのものだと。
おまえは、オレの彼女なんだと。
真実を……雨宮麻衣に、告げたかった。
人違いだった。
オレは、君を知らないし。
もちろん、そのネクタイのことも、知らない」
オレは、フッと横を向いた。
食い込む指と、痛む心に耐えながら。
本当は……。
抱きしめて、許しを請いたかった。
そのネクタイは、オレのものだと。
おまえは、オレの彼女なんだと。
真実を……雨宮麻衣に、告げたかった。