もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
振り返ると……雨宮麻衣の顔を見てしまうと……。


決心が揺らぎそうだったから。


必死でこらえていた涙を、見られてしまう恐れがあったから。


だから、あえて振り返らなかったけど。


その判断が正しかったとわかったのは……。


「あなたが心配してた金髪の男は、塀の向こうにいます。
容疑は、あたしの父親殺し。
だから、当分会うこともないんじゃない? ……って」


雨宮麻衣が、とんでもないことを口にした瞬間。

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