もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
すると彼女は、ピタリと止まり……。


「はぁ?
あり得ないし」


と、綺麗な顔を醜く歪めた。


世の中全て、自分の思い通りになるとでも思っているかのような顔。


そんな彼女の表情にムッとして、あたしは短く「じゃ」とだけ言って、


元来た道を引き返した。


そのあたしの足を止める……


「待ちなさいよ」


なんていう、ドスのきいた声。
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