もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】




中途半端にバイトを抜け出し、銀色の名刺の住所に向かう。


自分の意思以外の力で体が動く……そんな不思議な感覚だった。


タクシーを降りて繁華街の中に身を投じ、きらびやかなネオンに目を細める。


近くのお店で場所を聞き、まっすぐ歩けないほどの人の波をよけながら……。


あたしはやっと、住所に記されたビルにたどり着いた。


“GINGA”
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