もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「無理だよ」



冷たく――…


でも、少し震える唇から紡ぎだされた言葉は――…



「オレの心に。
本気の席は、一つしかない。
しかも、とっくに売り切れてる」



冷たさと甘さが――…


そして、拒絶と受容が交互に揺れる、泣きたくなるような寂しげな瞳は――…



「バカね。
売り切れてても、奪えばいいじゃない」



もう――…
あたしの心を捕らえて離さなくて。
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