もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「不幸な麻衣ちゃんに、乾杯」


そんなことを嬉々として言うなんて。


グラスを高々と持ち上げるなんて。




“狂ってる”




そう思った瞬間、あたしの耳に響いたのは……。


「きゃあっ!!!!」


という、悲鳴のような声。


それからあたしは、「お客様」と低い声で呼びかけられて、強い力で腕をつかまれた。


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