もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
あたしは急いで、その紙切れをつきかえした。


「こんなの、払えません」


「それは、どういう意味ですか?」


静かに聞き返すその口調に、身の毛もよだつ恐怖を感じる。


でも、ここで負けるわけにはいかない。


「そんなお金、ありません。
舞が勝手に頼んだんだから、舞に請求してください」


はっきりと、男の目を見て、あたしは告げた。
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