もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
だから――…




「発売前なだけかもよ?
超本気の・・・席が」



そんな言葉と共に、藤澤光の上、そっと唇を落とした。



すると――…



「…っ」



触れる前は
冷たくて
冷たくて
どうしようもないと思っていた、藤澤光の唇は、不思議なほど温かく。



「あたしは、あんたの前からいなくならない。
それならいいんでしょ?」



そう宣言したあたしの唇は、



「…んっ…」



びっくりするほど優しく受け止められて――…
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