もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
そんなあたしの――…



“告白”というより、“挑戦”に。



「オレ、けっこうハードル高いよ?」



藤澤光はそんな言葉と共に、少し頬を緩ませた。




「いきなり殴ったり。
いきなりとび蹴りをして、こうして馬乗りになったり。
そんな乱暴で、熱くて、しかも、オレからずっと離れない女か…。
めちゃくちゃだな」



そう言って、少し息を吐き出した藤澤光は――…



「そんな女に、オレが好きだと泣いてすがるとは思えない」



そんな言葉とは裏腹に、少し瞳を潤ませた。



でも、すぐに――…



「言っとくけど。
彼女はおまえ1人じゃない」



藤澤光は、いつものお決まりのセリフで、いつもの冷たい顔に戻って立ち上がった。




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