もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
ギュッと何かをつかんでいて、その力が強すぎるせいで……。


爪がくい込み、皮膚が破れている。


「あ・・・。
無理に開けようとしても無理よ。
ずっと、何かを握り締めたままだから」


師長はフッと悲しそうな顔を見せた。


「でも・・。
このままだと、痛いと思います」


藤沢光を……。


ちょっとでも痛みから解放してあげたい。


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