もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】



「キャッ!!」



とっさに顔を覆った手。


その手を恐る恐るおろしたとき……。


缶の中に残っていた液体が、あたしの白いニットに、しみをつくっているのが見えた。


「……っ」


いつもひょうひょうとして……へらへら笑っているイメージの強かった翔の行動に、あたしは唖然とした。
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