もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
そして、その紙を開いてみる。


その瞬間……。


「これ……」


と言ったっきり、絶句し、あたしはそれを床に落とした。


――カサッ……。


小さな小さな音をたてる一枚の紙。


薄くて軽くて……本当に、ペラペラの……ただの紙だけど……。


今のあたしには……。


全世界中の何よりも、重かった。
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