もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
ギュッと強く手を握り……。


そして、あたしはふわっと軽く……光の体を抱きしめた。


「これからは、あたしが光を守っていく。
だって、だって……。
あたしは、光を愛しているから」


そう言い切って、あたしはさっき机の上に置いたままの指輪をつまんだ。


そして、小さい方を自分の左手の薬指にはめ……。


もう一つの大きな方を……光の左手の薬指にはめた。


そして、あたしは……。


「ねぇ、光……。
よく聞いててね」


光の手を握り締め、心をこめて、こう言った。
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