もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「あーあ。
むくれちゃって。
俺達の仲のよさに、焼いてるのかな?
親友の光くん?」



「バーカ」



そう言って2人に背を向けたオレの後をついてきた翔が、オレの肩を抱き、小声で話す。



「恋愛なんてさ。
所詮、こんなもんだって。
本気・本気って言っても、この程度だって」



「翔。
それ、本気で言ってるのかよ。
あの子、ついこの前、オレに告った子じゃん?」



「いいんじゃない?
今は、オレのことが好きなんだから?」



ポンポンと肩を叩く、翔の手を振り払い、オレはネクタイを握り締める。

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