もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
でも、次の瞬間。


これ以上ないほどしょげて、オレに謝る。




「ごめんね・・・。
あたし・・・。
嘘ついちゃった。
あのネクタイ・・・あたしのだって、嘘ついちゃった」




「そんなの、オレが一番わかってるって」



“当たり前だろ?”



苦笑したオレに。



「ごめんね。
初めて会ったとき、光があんなに怒ったの・・・。
あの人のネクタイだったからなんだね」



雨宮麻衣は、オレの腕を放し、申し訳なさそうに頭を下げた。

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