あたしと先輩。

「まず名前を教えて下さいー!!」


「あ」


ピタッ


「はぁ、はぁ、はぁーあ…」


あたしがそう叫んだおかげで、先輩の動きはピタリと止まった。


「…ネ？」


「そうだったね、そー言えば」


「はい」


「俺は速水乃地［ﾊﾔﾐ ﾅｲﾁ］。よろしく、秋川さん」


ニコッと爽やかに笑う速水乃地先輩。


…な、ないちって…

珍しい名前…


ってか…


「あたしの名前は春川ですっ!!」


「あはは、それは名字だよ」


「…あたしの名字は春川です」