spiral "again"
シンーー
時々吹く風の音だけが、虚しく響いた。
私は力が抜けて、その場にペタンと腰を下ろす。
「能力が、使えない…?」
嘘、何で?
だって、さっきまで普通に使えてたのにーー
私は右手首の痣に気付いた。
「何、これ…?」
痣にしては細かすぎる
まるで、何かの紋章みたいな…
「どうしたんですか?」
突然向けられた声に、私は一瞬肩を震わす。
そして、ゆっくり後ろを振り向いた。
「えっ?」
「あれ…?華ちゃん?」
そこにいたのは、私が昔からよく知ってる人物
「岬ちゃん…?」
海と渚の妹、二宮岬ちゃんだった。