spiral "again"
「海、怪我してんだろ?」
「っ!」
俺は力ずくで腕を自分の方に引っ張った。意外に、渚は簡単に手を離す。
「しかもソレ、結構軽い怪我じゃないぜ?」
それぐらい、俺が一番分かってる。
「嘘だろ。バイトしてんの。」
「っ。」
渚は勝ち誇った顔で俺を見てくる。俺は一歩後ずさった。
「前から怪しかったんだよ。ツチノコとか、ナマコ拾いに行くとか、天然石捜してくるとか…何のバイトだよ。」
確かに、何のバイトだよソレ
俺、嘘吐く才能ねぇなぁ…