短編■ 一年中 半袖半ズボン
ちょっとヤンチャな生徒にしろ、宿題となれば期日にきちんと出すんだ。
【私たちにできる身近なことから、しなければいけないと思った。】―――ってね。
ハイハイハイ、だ。
その通り。
完璧、パーフェクトでしかない。
がらんどう。
――俺は先生になったのが間違いだったかもしれない。
清らかな心を持った生徒を誇らしく思うも、うんざりしている自分もいるのだから。
そう、こんな素晴らしい手本のような作文を“つまらない”なんて思う俺は、
――やっぱり先生に向いていないのかもしれない。
不登校や身嗜み統一に、てんやわんやしている先生に比べたら、贅沢な悩みなんだろうか。
金持ちが税金対策の話を持ち出すくらい、むしろ羨ましがられる悩みかもしれない。