短編■ 一年中 半袖半ズボン
ペンを取る。
文字を走らせる。
原稿用紙に埋めていくのは、言えない言葉。
―――
――
「作文の発表なんだけど、みんなしっかり書いていますね、一人だけを選べない」
大変よくできましたの生徒サンは、各クラス一名ずつ体育館で発表する。
それはエリートな生徒たちにとっては、花形なようで――
いつもニコニコ愛想良くしている学級委員・永岡の眉間にシワが寄ったことに、
内心ガッツポーズを作る俺は歪んでいるに違いない。
「だから先生が小学生になったつもりで書いてみました。読んでみるから聞いてくれ」
ざわついた教室に怯まず、原稿用紙を広げて話し始めた――