短編■ 一年中 半袖半ズボン
なんて嘘だ。少しは分かっているつもりだ。今、地球の環境問題は大変なんだ。
だからこそ、『メダカが絶滅します』、『ペンギンが泣いています』、なんてキュートな動物サンに頼るメッセージは卑怯だ。
しかし、そう言ったら各国のコピーライターやポスターを描く人に失礼だから、
小学生という肩書に護ってもらい、うやむやにしておく。
俺たち人間の生活が動物サンを殺しているのに、助けてあげようだなんて、
なんか上から目線で綺麗に流しているだろう。
エコエコエコ。
エコな商品への買い替えは、始末するエネルギーは…、根本的なことを知らない俺たちだ。
言葉だけが綺麗過ぎる。人間がヒーロー気取りだ。
そして俺たちは上辺だけの決意しかできていない。
だから今だってこうして、無駄にクーラーの効いた教室に俺たちは居るんだ。