DREAM
.

昼休み、体育館に向かおうとした時だった。


爽が外の水呑み場で顔を洗っていた。

「―ッそ―…」
「爽ちゃん!」


え…?誰?

「だからー、ちゃん付けやめろって(苦笑)」

爽が親しげにその子と話していた。
肩にかかる位の黒髪に、色白の肌。女のあたしから見ても、すごくかわいい子だった。



「あれ?柚芽じゃん。」
あたしに気付いて、話しかけてきた爽。

「あ…じゃあね。」
明らかに不自然な行動をしてしまった。しかも、全然かわいくない言い方。


体育の時間は、ため息ばっかりだった。



.
< 18 / 19 >

この作品をシェア

pagetop