文献:彼岸花についてのレポート
で、その十二月十四日の話だが。
リコリスは空から降ってきた少女だ。
いや、俺の頭がアレな訳じゃない。
人の形をした、人ならざるモノ。生き物でもないらしい。
彼女(生き物でないのに女・というのは少し語弊があるかもしれないが、間違いではないかと。)
は、大気圏外。
つまり、宇宙のテクノロジーによる産物だと彼女は言っていた。
アンドロイドのようなモノ(正確には疑似生命体らしい)だそうだ。
帰る必要が無いということ(捨てられたから、らしい)なので、
この地球のこの街に住む事にさせた。
名前が無いらしいのでリコリスという名を付け、
街の人には歓迎された。
ここの街の人は好奇心旺盛である。
宇宙人だろうがアンドロイドだろうが話しかける程にだ。
嫌がる人も居たには居たのだが、
この二ヶ月間で彼女のした事は街、国どころか地球のほぼ全員が知っている話だ。
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