文献：彼岸花についてのレポート

第三話「何か背中に違和感が…。」

「では、説明を開始する。」
リコリスは真剣な表情で、俺に向き合っている。
普通だったらそそる光景なのに目の前に居るのは俺だ。言っておくが鏡を見ている訳では無い。
我ながら意味の分からない光景だと思うが、
説明は後回しにできなさそうなので解説するが、俺とリコリスは人格や記憶が入れ替わっている。
意味が判らないなんて言うヤツなナイアガラで滝登りしてこい。笑ってやるから。
そんな問答を心の中でしていると、リコリスが不思議そうな顔をして
「何を考えておるのじゃ？」と聞いてきた。
「ごめん、かなりどうでもいい事考えてた。」
「惚けておる場合じゃないだろう？しっかりせい。」
俺が話を聞く体制に入ると、リコリスは話し始めた。