絶望

羽実が居なくなってから一週間。

一度も連絡もないまま過ぎていった

何度も夢かと思ったが

羽実と買った指輪が俺達が愛し合った事を証明している

羽実…

仕事も手に着かないまま俺は羽実の事ばかり考えていた。

「濱野!海辺で死体が揚がった!すぐに駆けつけるぞ!」

上司に怒鳴られ羽実との思いの狭間で俺は現場に向かった

「濱野!ブルーシート!」

現場は野次馬達で溢れかえっていた

「はい!」

車からシートを出している時に思わず耳を疑った

「可哀想に…あれ、佐々木さんとこの娘さんだろぅ…」

野次馬のひとりが話していた

俺はそのあがった死体の側へ走った。

どうか嘘であるように

現実は残酷で俺を地獄に落としていった

「羽実!羽実!!」

冷たく何も言わなくなった羽実が眠っていた

頼むから目を開けてくれ!羽実!なんで…

「またね」

って言ったじゃないか

あんなに愛し合ったのに

なんで…

なんで…

俺はその場で崩れ落ちていった

羽実は自殺と処理されて小さな箱に包まれて家に返された

羽実が二度と来る事のない部屋に一通の手紙が届いていた

羽実からの最初で最後の手紙だった

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