ワタシノタイヨウ
ここ2、3日の私はなんだかやる気が起きず、彼に会いに行く事も部活に行く事もせずに、日が暮れるまで教室の窓からぼけーっと空を眺めていた。


(つまんない…先生と喋りたい)


沈みかけの夕日を見ながら、はぁっとため息が漏れる。


女生徒と楽しそうに話していた彼の笑顔が、ここ2、3日頭から離れず私を悩ませていた。


だんだんオレンジ色に変わっていく太陽を、ただじっと見つめていた私は、不意にふらっと立ち上がり教室を出た。


自然と彼がいる部屋へと足が向かっていたのだ。


(悩んでても仕方ないや。冷たくされてもいいから先生の声が聞きたい…)


冷たく追い出されるのはわかっていたけど、それでも私は彼に会いたかった。


(やっぱり先生に会わないと元気出ないんだよねぇ…)



私はノックしてから扉を開ける。


『失礼します。鈴原です…。』


私がそっと中を覗くと、一服中だったのかタバコを手に彼は振り向いた。


彼の顔は後ろからオレンジ色の夕日に照らされ影になり、よく表情が見えない。


でも一瞬、振り向いた彼の顔が、ほっとした表情に見えたのは私の気のせいだろうか……。



「こんな時間になんだ…。」


あきらかに声が不機嫌だ。


(やっぱりさっきのは気のせいか…)



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