ワタシノタイヨウ

次の日…


「カスミ、私帰るけど今日はどうする？」


放課後ツキコが声をかけてくる。


窓側の席の私は、今にも泣きだしそうなねずみ色の空を、ぼけっと見つめていた。


『う〜ん…たぶん、部活行く…かな…ツキコ先帰っていいよぉ…』


なんだか気のない返事をする私の顔を、ツキコは心配そうに覗き込む。


「ねぇ、大丈夫？」


『……ん〜』


「一緒に帰らない？」


『…もう少しここにいる…。』


「そう……じゃあ、何かあったら必ず連絡してよ！」


ツキコは優しく私の頭を叩いた。


『うん、わかった。ありがと…』


私は教室を出て行くツキコに、バイバイと手を振る。
私は部活になんか行く気はなかった。


昨日はどうやって帰ったのか解らないが、気がついたら自分の部屋のベットで泣いていた。


少し落ち着いたとこで、ツキコに連絡をとり、そしてまた泣いた。


泣きすぎて今日の私は、なんだか心がからっぽのような気がする。


相変わらずどんよりとした空を、ただじっと何も考えずに眺めていた。




しばらくすると……


「カスミ先輩！部活一緒に行こうぜぃ。」


ユウ君が突然に私の目の前に現れ私はただびっくりしてユウ君の顔を見つめた。


「な、なんだよ。また先輩、部活サボってるから迎えに来てやったんだけどっ！」


見つめる私の視線に少し照れたのか、耳が赤くなっていく。


『…ユウ君。』


やっと口を開いた私を見て、ユウ君は強引に私の手を取り立ち上がらせた。


「ほら、部活行くぞ。」


私はされるがまま、ユウ君に手を引かれ教室を出た。



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