ワタシノタイヨウ
学校への道のりをいつも通り歩いていた私は、なんだかいつもと景色が違って見える気がした。


なんだかすべてが輝いて見えるって言うか…もしかして、これが幸せ!?などと考えていると、背中をポンっと叩かれる。


「おっはよ♪」


笑顔で私の顔を覗き込むのはツキコだった。


「カスミ〜よかったねぇ!」


『ツキコ〜ありがと〜』


私たちはその場で立ち止まり、人目も気にせず手を握りあって喜んだ。


一番私の気持ちをわかってくれるのはツキコだ。どれだけ私は彼女に救われたか…自分の事のように喜んでくれる彼女にホント感謝していた。


「ホント一時はどうなるかと思ったけど…」


ほっとため息をつくツキコを見ながら私は、


『でも、何か昨日の事は夢だったんじゃないかって…先生に会うまで、まだ信じられないような…』


そう言って、無意識に私は指で唇に触れる。


「ちょっとぉ、夢の話しを昨日私に長々としたわけぇ。」


意地悪そうにツキコは言うと、私をちらっと見る。


「大丈夫だよ。感触残ってるんでしょ。」


唇を触る私を見て、ツキコはそっと耳元で囁いた。


『…っ!!』


私は耳まで真っ赤になると、それを見たツキコはクスクス横で笑い出す。


『ツキコの意地悪!』


私は頬を膨らませ、ツキコを置いて速足で歩き出した。


「ごめ〜ん、カスミ。機嫌直してよぉ。」


ツキコは謝ってはいるが、まだクスクス笑い声が聞こえる。


『もう、知らないっ。』


スタスタ歩く私に追いついたツキコは、私の腕に自分の腕を絡ませると、


「カスミってかわいい♪」


また私をからかって楽しそうに笑っている。


『もう…』


ため息をつく私を見てツキコは頭をそっと撫で微笑んだ。


(私って、からかいやすいの?)


彼にもよくからかわれる事を思い出した私は、早く先生に会いたくなった。



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