ワタシノタイヨウ
私が急に隣りに座ったので、彼は少し驚いた顔をした。


私は空を見上げながら、何か話さなきゃと思い、


『今日もいいお天気ですね。昼寝にはもってこいって感じ…かな…。』


そろそろ陽が落ちはじめる夕方の時間。

私は緊張のあまり、意味もない事を言ってしまい……。


(あ〜何言ってるの私‥こんな事言いたい訳じゃないのに)


私は頭を小さく振った。


彼はキョトンとした表情でこちらを見てる。そしてあたふたしている私を見ると


「クックック」


と肩を震わせて笑い始めた。
私は恥ずかしくなってうつむく。


そんな私を見て彼は笑うのを止め、ポケットからタバコを取り出し火をつけた。


その仕草を私は横目でそっと盗み見る。


(あっ指…キレイ…)


男の人なのに、とても指が細くてキレイだった。

それを見ていたら、なんだかドキドキしてきた。


私の隣りでタバコをふかす彼。

少しの間、沈黙が続き私は耐えられなくなって口を開いた。


『先生こんな所でタバコ吸ってもいいの?』


彼は私の方をチラッと見て


「他の先生に見られたらマズイだろうなぁ。」


と言ってフーっと煙りをはいた。


『生徒には見られてもいいの?』


と私は少しいじわるで聞いてみる。彼は私を見て、


「いまんとこ、お前にしか見られてないからな…。黙っとけよ。」


そう言って彼はニヤリと笑って見せた。

私はその笑顔が嬉しくて、


『じゃあ二人だけの秘密だね♪』


私は彼の顔を覗き込み、とびっきりの笑顔でそう言った。



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