ワタシノタイヨウ
私たちは放課後に会う事しか出来なかったけど、それでも私は幸せだった。


部活にはちゃんと行くように言われた私は、少しでも彼に会いたかったので、部活の前や終わってから会いに行っていた。



今日は部活が終わるのがいつもより遅かったけど、素早く着替えて彼の元へ走った。


(まだ先生いるかな…)


ドアに手をかけようとすると、いきなりドアが開く。


『きゃっ!!』


私は驚いて大きな声を上げた。


「びっくりした…カスミか。」


私の声に驚いた彼が、私の顔を見下ろしていた。


『あっ、先生…もう帰るの?』


荷物を手に持っている彼を見つめ私は元気無く言う。


そんな私の気持ちに気づいたのか彼は私の頭をポンっと叩くと、


「カスミも今から帰りだろ。家まで送るよ。」


そう言って微笑んだ。


『えっ、でも…』


誰かに見られたらまずいんじゃないかと心配していると…


「もう暗いし、生徒送るくらい大丈夫だよ。言い訳くらい何とでもなる。」


ドアに鍵をかけると、彼はスタスタと歩き出した。


私は慌ててその後を追う。


(先生の車に乗せてもらうの初めてだな…)


彼と付き合い始めて1ヶ月。


なんだか少しドキドキしながら、彼の車に乗り込んだ。



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