ワタシノタイヨウ

「ば〜か、冗談だよ。」


そう言って私の頭をくしゃくしゃっと撫でる。


「もしカスミが先公と付き合ってたとしてもオレには関係ないし。むしろ応援してやるよ。」


黙って聞いている私に、ニヤリと笑うと、


「こんな妹好きになってくれた奴に感謝する事はあっても、反対する理由なんか無いね。」


『…タツ兄、ひどいっ!』


黙って聞いていた私も我慢の限界になり、タツミの背中をおもいっきり叩いた。


「いでっっ!」


家の前で騒いでいると…玄関が勢いよく開いた。


「あんた達!何外で騒いでんの。近所迷惑でしょっ!」


母親の大きな声が響く。


『…お母さん、声でかい…』


私が突っ込むと、


「いいから、さっさと中入りなさいっ!」


私とタツミの手を引っ張り家の中に入れる。


「まったく、いい年して二人とも恥ずかしいんだから…」


そう言って母親はリビングへ消えていった。


『いやいや、お母さんも…』


私が言いかけたとこでタツミが私の頭をポンっと叩き、


「まあ、頑張れ…」


そう言い残し二階に消えた。


(もう、なんだったの!?とりあえずタツ兄には、ばれてないのかな…)


私は何がなんだかわからないまま部屋に戻り、とりあえず家の周りも気をつけなくちゃと思った。



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